top of page
リーダー不在となったOTSK。
このまま自然消滅するかと思われましたが、誰からともなく連絡を取り合うようになりミーティングを重ねました。
当時の気持ちとしてはバンドメンバーだからとか、OTSKの今後どうするよりも、今のこのなんとも言えない気持ちを共有できる仲間と会いたい。ただ会って話がしたい。それだけだったかもしれません。
実際ミーティングというよりは、
ただ居酒屋に集まって酒を呑みながら、お互いの仕事のことや家族のこと、音楽のことを語り合っていただけだった気がします。
そんな話をする中で、「やっぱりこのメンバーで音が出したい!」「また旅にいこう!」と話が進むのにそう時間はかかりませんでした。
ただ彼女はたくさんの曲を残していきました。
特にOTSKは生前一番最後に自身のリーダープロジェクトとして活動していたバンド。
未発表曲も含め2・30曲を超えるオリジナル曲が残っているのです。
美味しいものを食べた時、素晴らしい人・場所に出会えた時、リハーサルの休憩時間、
果てはツアー中移動の車の中でさえ彼女の感性は爆発し、沢山の曲が産まれました。
今でも「できたー!きいてきいて~!!」という声が聞こえてきそうな気がしてなりません。
肉体は存在しなくなったかもしれませんが、
一曲一曲に込めた想いが、魂が、
確かにここに存在しているのです。
2016年2月10日リーダーの長木谷麻美が事件に巻き込まれ殺害されました。
彼女が恋い焦がれ、愛して、愛して、愛し続けた国。
スティールパン発祥の地トリニダード&トバゴで・・・
あまりに急な話で、
帰ってきた彼女の変わり果てた姿を見てもなお、
現実として受け入れることができませんでした。
沢山のメディアで報道され一時は騒がれましたが、
未だ犯人についての情報はほとんど入って来ておりません。
ご遺族のお気持ちを考えてもこの事件の早期解決を切に願うばかりです。
時間とは残酷なもので、
どんなに悲惨な事件でも、
どんなに凶悪な犯人も、
どんなに優れた音楽家であっても、
時間と共に記憶は薄れていくものなのかもしれません。
本意ではありませんがきっとこの事件も例外ではないでしょう。
あさみが一番最初に書いたバンドのプロフィール。『楽曲は全て長木谷麻美のオリジナル・アレンジでできており、メンバー同士で「俺たち最高!」と感じられる音楽を目指して活動している。新しく今までにない音を探しながら旅をしているバンド』そこに長木谷麻美が演奏してなくてはならないという表現は一つもありません。1人ずいぶんと先にいってしまいましたが、俺たちはこの最初に掲げた原点に立ち返り、今まで通り彼女の曲を演奏し続けます。彼女の曲を、生きた証を、一人でも多くの人の耳に届けたいと思います。
いつか天国で全員揃って「俺たちさいこー!」と言い合えるその日まで・・・
bottom of page